下肢静脈瘤の診断
基本的には視診だけ。血管の蛇行があれば静脈瘤です。ただ、太っている人は脂肪の中に血管が埋もれて見えないことがあるので、その場合は超音波検査をします。
下肢静脈瘤とわかったら?
治療法は三つ
一つは硬化療法で、
静脈内に血液を固まらせる薬剤を注入して静脈瘤をつぶす方法です。もう一つは悪い静脈の根元を縛る局所手術で、それプラ
ス硬化療法を行うこともあります。この二つは日帰り手術でできます。三つめは、悪い静脈を全部抜き取るストリッピング手術で
、三泊四日の入院になります。しかし、まず試してみたいのは弾性ストッキングですね。これがいちばん簡便な方法です。
大伏在静脈を全部抜き取ると血行はどうなりますか?
下肢の表在静脈は深部静脈に合流するルート(交通枝)がたくさんあるので、深部静脈さえちゃんとしてたら血液は心臓に戻っ
ていきます。大・小伏在静脈はなくても体に支障は生じません。
だったらあれこれ迷わず全部取ってしまえば一件落着ですね。
ただ、大伏在静脈のすぐそばを伏在神経という知覚神経が走っているので、血管を引き抜くとき神経が障害される危険があり
ます。万一障害されても、その症状はときどきピリピリするとか、正座のあとピリピリ感が残るといった程度ですが。現在では重
症例を除いて、表在静脈の全長にわたる抜去手術はしていません。しかし、重症例は、くるぶしから太腿までの大伏在静脈を
全長抜去します。それをやらないと下肢静脈瘤は治りません。
重症まではいかない中等症の場合は?ひざから上の大伏在静脈を抜去し、ひざから下は静脈瘤だけを摘出します。ひざから下の大伏在静脈は残っているわけです。
軽症は硬化療法と日帰り手術。
硬化療法は、
小さい静脈瘤には結構よく効くのですが、体には固まった血液を溶かす作用がありますからね。全然効かないこともあるし、いったんは固まってもまた溶けちゃう(静脈瘤が再発する)例が多い。そこで考えられたのが、悪い静脈(大・小伏在静脈)の根元を縛って血液の逆流を止める小手術(高位結さつ術)と硬化療法の併用です。これも割合よく効くのですが、根元を縛っても別のところでつながって血流が始まってしまう。だからやはり再発は避けられない。
硬化療法単独だと大体半年で再発します。日帰り手術を併用すれば三年ぐらいはもちます。
最近では、いろいろな治療法が開発されて、患者さんの選択肢はふえています。
治療法はすべて保険適用で自費診療の必要はない
「自費」だといわれたら注意
日本の医療制度では、自費診療をしたければしてもいいわけですから「保険が利きます。でも、うちは自費です」というのだった
ら、まぁそれでもいいでしょう。しかし、「保険は利きません」といって自費診療を勧めているとしたら問題です。非常に怪しい。それからもう一つ、治療技術の格差という問題もありますね。